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子供のための歴史講座13:日露戦争開戦前編

いや〜乱世乱世。時は20世紀初頭。日本とロシアの戦争で、なんと日本が勝ってしまったのだ。近代史の中でも、割と重要な戦争だあら覚えておくように!
日露戦争


娘「ロシア相手って、ムチャしすぎ」

その通り!かなりムチャな戦争だった。しかし戦わなくてはならない理由があったわけだ。

娘「なんで?」

話は日清戦争にさかのぼる。日本が清、つまり今の中国と戦争して勝った。清の国力が弱ってきたところに、ヨーロッパの列強が押し寄せてきた。

娘「なんで?」

これまでヨーロッパ列強は、アフリカ大陸に進出して、現地のものを安く買い叩いてヨーロッパで高値で売って大儲けしていた。アフリカはヨーロッパの国々で大渋滞だ。そこで次に目をつけたのがアジアだ!

娘「お金儲けのためなの?」

今も昔も、お金儲けは争いの元なんだよ。清は帝国で軍隊もいる。アフリカの部族のように簡単には勝てないと思っていたら、日本が勝ってしまった。「なんだ、清って弱いじゃん」」となって、各国が清に押し寄せてきたんだ。

娘「だから日本もロシアも参加したの?」

その通り!日本は近代化が忙しかったから、周回遅れで参加したし、ロシアも出遅れていた。ロシアは清に迫ると同時に、日本が日清戦争で獲得した遼東半島を清に返還するように、フランス・ドイツと手を組んで迫った。これを三国干渉という。ちなみに遼東半島は、ここね。
遼東半島

娘「小さっ!こんな所が大事なの?」

ロシアの港は大半が冬に凍ってしまうから、太平洋側に凍らない港が必要だったんだ。

娘「え?清に返すんでしょ?」

清のものは俺のものって、ロシアは考えていたんだ。

娘「ジャイアンだ!」

そう、ジャイアンのロシアは、遼東半島に軍艦を帰港させた。さらに義和団事件をきっかけに、中国北部に軍隊を置いて、清を奪いにかかっていた。のび太のような日本は、ジャイアンには敵わない。しかしドラえもんが現れる!

娘「誰?」

イギリスだ。イギリスもロシアの拡大を嫌っていて、日本と手を結ぶことにした。ここに日英同盟が結ばれる。ドラえもんが来た以上、ジャイアンも警戒して、軍隊を引き上げる約束をするけど、なんだかんだで引き上げない。交渉は行き詰まり、朝鮮半島にはロシアの海軍がいる。これは危険だということになった。

娘「だから戦争するの?」

しかしお金がない。鉄砲の弾だってタダじゃないし、戦争にはお金がかかるんだ。そこでのび太はドラえもんのイギリスに相談すると、ドラえもんは貸してくれた!
日英同盟

娘「えー!ドラえもんにお金を借りるの??」

そうだ!なにせ当時のイギリスは世界最強の軍隊を持って、世界一のお金持ち国家だからね。のび太が頼れるのはドラえもんしかいないのだ。

長くなったから、この話の続きは明日にしよう。




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村田諒太の世界戦雑感

WBAミドル級の正規王座を賭けて、村田諒太とアッサン・エンダムの試合は、2−1のスプリット・デジションでエンダムの勝利となりました。この結果に会場は驚きの声が上がり、ネットにも結果に納得できないという声が多数書き込まれています。
村田対エンダム


1R、足を使うエンダムに、村田はほとんど手を出さずに終えます。相手の動きを見て、体力を温存しつつ相手を疲れさせ、後半勝負というプランだったのでしょう。これは世界戦で、12Rの試合は村田にとって初体験です。それなのに初回を相手にプレゼントする作戦は、かなりギャンブル性の高いものでした。

10ポイント・マスト・システム(どちらかの選手に必ずポイントをつけて、同点にしない)では、今回の村田のようにガードを固め、あまり手を出さないスタイルは判定では不利です。ダウンを奪えず、目立った有効打がない場合、リング・ジェネラルシップ(主導権支配)でポイントを奪われてしまう可能性が高いからです。今回の村田のようなスタイルは、特に世界戦ではKOしなければ勝つのは難しいのです。

村田がダウンを奪った4Rや、右ストレートでダウン寸前まで追い込んだラウンドは確実に村田がとっていますが、1〜3Rまではエンダムがとったラウンドでした。8〜12Rまでは、有効打をとるか手数をとるか、ジャッジの判断によってどちらに行っても不思議ではないラウンドでした。そして3人のジャッジのうち、2人が手数をとったということです。
ジャッジペーパー(村田対エンダム)
ジャッジペーパー(クリックして拡大)
※左の紙は、勝利者の名前を書き間違えていますね。

試合の印象と判定結果が真逆になるのは、10ポイント・マスト・システムではよくあることです。どちらも優位に運べず、素人目には引き分けのラウンドでも10-9をつけるので、ダウンを奪った選手が大差の判定負けになることは珍しくありません。日本で判定に対して不満が出る試合の大半が、このシステムによるものです。ですので今回の判定も、さほどおかしな判定とは言えないと思います。今回の村田の敗因は、判定がどうこうというより、あのスタイルで倒しきれなかったことが最大の要因ではないでしょうか。


深刻なのは、今後の村田のプランです。現在ミドル級は、ゲンナジー・ゴロフキンが主要3団体の世界王座に君臨し、WBOはビリー・ジョー・ソーンダースが王座に就いています。そして最も人気があるのは、現在は無冠のサウル・アルバレスです。ミドル級の最大の話題は、ゴロフキンとアルバレスの対決に関してです。
ミドル級の主役たち
右:ゲンナジー・ゴロフキン 中央:サウル・アルバレス 左:ビリー・ジョー・ソーンダース

ゴロフキンの前には挑戦者が列を作って並び、村田がその列に入り込むことはビジネス的に不可能です。そこでこれまでは、ソーンダースとの試合を模索していました。しかしソーンダースもゴロフキンとの統一選を熱望していて、村田との試合には後ろ向きです。そこでWBAがスーパー王者のゴロフキンとは別に設けている正規王者のタイトルを巡って、今回の村田の挑戦が実現したのです。

原則的にリターンマッチは禁止されているので、エンダムとの再選は難しいです。ゴロフキンとの対戦は絶望的ですし、仮に実現したとしても現状では勝てる可能性がほとんどありまえん。そしてソーンダースが否定的となれば、村田の世界挑戦の道は険しいものになってしまいました。

今回の敗戦は、とても大きいものです。今後の村田の動向に、注目したいと思います。

007の権利問題を整理する その3

前回からの続きです。

3.ソニーの参加
2004年に投資家のカーク・カーコリアンは、MGM/UAの株式20%をソニー主導の投資家グループに売却し、007の権利にソニーが参加します。ソニーはMGM/UAの大規模リストラなどを画策しますが、MGM側が大反発して独自路線を歩みだし、さらなる混乱が起こります。こうしたゴタゴタを経て2010年にMGMは破産し、「007 スカイフォール」の公開が無期限延期という異常事態に陥りました。
カーク・カーコリアン
カーク・カーコリアン ラスベガスに貢献した人物として知られています。

MGMの破産法申請の結果、スパイグラス・エンターテーメント(シックス・センスなどを製作した会社)の支援を受けて、再建することになりました。007シリーズは、借金だらけのMGMの再建のために、重要度を増しています。またこれに伴い、007シリーズのソニーの権利は「007 スペクター」で終了しました。
スパイグラス・エンターテーメント
スパイグラス・エンターテーメントのロゴ

次回作は、資金難のMGMは十分な資金が用意できないため、製作権を競売にかけることになっています。イオン・プロダクション(EP)とMGM、そして競売に勝ったスタジオが参加する予定で、複数社が名乗りをあげて権利の争奪戦が始まっています。

ここまで振り返ると、イアン・フレミングの軽率な無断借用がなければ、スペクターの件で揉めたりしなかったと思いますし、サルツマンが一時の感情でUAに売却しなければ、製作が途絶えることもなかったと思います。しかし、これらの騒動により多くの人が参加して新しい血が流れ込んだことで、007が生きながらえた面もあるはずです。

ダニエル・クレイグの降板も噂される中、次回作がどのような形で発表されるのか、まだ誰にもわからない状況です。

007の権利問題を整理する その2

前回からの続きです。

2.ユナイテッド・アーティスツへの売却

イオン・プロダクション(以下EP)の共同プロデューサー、ハリー・サルツマンは娯楽要素を追求し、コメディ映画になっていた007に嫌気がさし、「黄金銃を持つ男」を最後にプロデューサーの降板を表明します。これはもう1人のプロデューサー、アルバート・ブロッコリにとっても寝耳に水の話でした。
イオン・プロダクション
イオン・プロダクションのロゴ


ブロッコリは説得を続けますがサルツマンは耳を貸さず、それどころか自身が持つ映画化の権利をブロッコリではなく、映画スタジオのユナイテッド・アーティスツ(以下UA)に売却してしまいます。これにより007の映画化の権利は、EPとUAの2社が保有することになりました。
ユナイテッド・アーティスツ
ユナイテッド・アーティスツのロゴ

これまでEPが主導してきた007は、UAとの共同作業になります。しかしUAは80年の「天国の門」で記録的な赤字を計上し、倒産の危機に追い込まれます。そのUAを救ったのが、別の映画スタジオMGMでした。UAは吸収されMGM/UAとして再出発をします。しかしこれもMGMの資金難で、すぐに暗礁に乗り上げます。
MGM/UA
MGM/UAのロゴ

経営危機のMGM/UAを買収したのかが、ターナー・ブロードキャスティング・システム(TBS 現在のタイム・ワーナー)で、この時に多くの映画の版権が整理、移管されます。しかしTBSのメインバンクが、巨額の負債を抱えるMGM/UAの買収に難色を示し、買収から2ヶ月ちょっとでMGMの経営に関与していた投資家のカーク・カーコリアンに売却されてしまいました。さらにカーコリアンは、負債を返済するためにMGM/UAの資産をバラバラに、あちこちに売却していきます。

この混乱で、多くの映画の版権が誰のものか不透明になってしまいました。もう問題は007シリーズだけにとどまらず、「ロッキー」シリーズ、「ポルターガイスト」シリーズなど約4000本の映画の権利も曖昧になってしまいました。特にTBSとMGM/UAの間で、どの映画のどの版権をどちらが所有しているかが問題になり、双方の弁護士が多大な時間をつぎ込んで調整と交渉に挑みました。

この影響で、007シリーズは、「消されたライセンス」以降、6年間も製作されませんでした。EPは、サルツマンがUAに売却した半分の映像化権のために、映画の製作ができなくなったのです。95年に再びカーコリアンがMGM/UAの社長に就任し、権利問題の整理がついたところで、007シリーズもピアーズ・ブロスナンが登板した「ゴールデンアイ」から再開されました。

次回が最終回です。

007の権利問題を整理する その1

イアン・フレミングの小説007シリーズは、映画化されて世界的なヒットを記録しますが、映画化の権利問題がややこしくなっています。どれだけややこしいのか、それを解説したいと思います。

1.サンダーボール作戦訴訟

イアン・フレミングは、007の映像化権利を、安値で複数に売却しています。その中に、アルバート・ブロッコリとハリー・サルツマンがいました。両者は互いが持つ映像化権利を買い取ろうとしますが、映像化に掛かる費用を捻出するため、紆余曲折を経て共同で映像化することになりました。これがイオン・プロダクション(以下EP)の設立につながります。
アルバート・ブロッコリとハリー・サルツマン
左:アルバート・ブロッコリ 右:ハリー・サルツマン

EPは映画「007 ドクター・ノオ」を成功させ軌道にのると、次々と007の映画化に着手します。これに気を良くしたフレミングは、自らが映画化することを目論んで、友人達とザナドゥ・プロダクションを設立します。この時、映画作家のケビン・マクローリーが中心となって、いくつかの映画用の脚本が作られました。しかしザナドゥを不安視したフレミングは、一方的にこの契約を解消してしまいます。

フレミングはこのマクローリーらのアイデアを無断で使用して、「サンダーボール作戦」を書き上げて発表してしまい、マクローリーらから訴えられることになります。63年にマクローリーが勝訴すると、映画「サンダーボール作戦」のクレジットにはマクローリーの名前も入れられました。これで一旦は決着したかに見えました。
007 サンダーボール作戦
007 サンダーボール作戦のポスター

この問題が尾をひくのは、マクローリーのアイデアに、犯罪組織スペクターと、その首領ブロフェルドが含まれていたことです。他の作品にもスペクターやブロフェルドが登場したことにマクローリーは憤慨し、差しどめの要求が出され、「ダイヤモンドは永遠に」以降、スペクターは登場しなくなりました。この問題で和解が成立したのは、なんと2006年でした。

「ネバー・セイ・ネバー・アゲイン」は、マクローリーが、「サンダーボール作戦」をリメイクしたものです。EPとの約束で、10年間はマクローリーが映画化しないと決められていたので、10年を過ぎてから映画化の動きが始まったものです。しかし内容を巡って再びEPと訴訟になり、紆余曲折を経て完成しました。
ネバー・セイ・ネバー・アゲイン
ネバー・セイ・ネバー・アゲインのポスター

ちなみに製作したのはタリア・フィルムで、本作の制作者ジャック・シュワルツマンの会社です。社名は妻のタリア・シャイア(ロッキー・シリーズのヒロイン、エイドリアンが有名)から名付けられました。

それはともかく、ショーン・コネリーの復活で話題をさらったものの、同年公開の「007 オクトパシー」には興行成績で負けています。

次回に続きます。
プロフィール

井上 毅

Author:井上 毅
はねもね
福岡県出身
東京都在住
以前やっていたブログ「はねもねの独り言」の続編です。

外資系金融機関に勤めながら、あちこちに出没しています。

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