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007は上司の査定を恐れていいか?

氏名:ジェームズ・ボンド
職業:MI6所属の諜報員
家族:独身(結婚歴あり。子あり)
酒:こだわりなし
職業観:現職に不満があり、転職を考えている

イアン・フレミングの原作では、ボンドは崖っぷちの人生で、遅刻を繰り返すなど勤務態度が問題でクビになりかけたりします。さらに官僚組織の末端という不自由さに嫌気がさしていて、上司の査定を気にしています。

007 イラスト

こんなボンドを誰が見たいのか?原作通りのボンドのイメージなんて、誰も求めていないと言うのが通説でしたが、現在のダニエル・クレイグ演じるボンドは、この原作路線に近いところにいます。

原作は1950年代のイギリスのスパイ小説として見ると、重厚さに欠ける代わりにアメリカのエンタメ小説のような豪華な舞台に派手なアクションがあり、映画と違っていつもギリギリスレスレのところで、ボロボロになりながら勝利しています。

このボロボロになりながら勝利するというのを、ダニエル・クレイグは実践しています。クレイグ初主演の「カジノ・ロワイヤル」では、血まみれになりながら勝利していますし、感情的になってキレるボンドも演じています。

「なーんだ、原作回帰なのね」と言えばそれまでですが、これは勇気のいる挑戦だったと思います。なぜなら原作路線はティモシー・ダルトン主演の「リビング・デイライツ」と「消されたライセンス」の2作品で挑戦し、興行的な失敗をしているからです。公開時期が悪かったとはいえ、最もボンドらいしと言われたダルトンを起用しての失敗ですから、再挑戦は厳しいものだったはずです。
ティモシー・ダルトンasジェームズ・ボンド


「リビング・デイライツ」は、当時としてはキレキレの設定で、女好きのスパイという設定を正面から否定しています。ロジャー・ムーア時代の、無駄にセクシーな衣装のボンド・ガールが登場したら、とりあえずベッドにゴーという流れが一切ありません。ボンドはボロボロになって戦いますし、鼻血は流しますし、ジョークも遊び心もありません。

「消されたライセンス」では、ついに感情をむき出しにしますし、命令違反をします。前作で不評だったのか、お色気は多少復活しますが、冷徹でシビアな面を強く押し出しています。ムーアのボンドにあった、ゆる〜い格闘シーンは激しい肉弾戦になり、可能な限りスタントマンは使われませんでした。

細かいところでは、銃の専門家による訓練を受けていて、銃の扱い方が極めてスマートになっています。コネリーやムーアのボンドは、トリガーに指をかけたまま走り回るなど、素人の銀行強盗のような持ち方でした。専門家による訓練はダルトン以降も定着したようで、ブロスナン、クレイグのボンドも本格的な銃の扱い方をしています。

クレイグのボンドは、原作回帰という「誰も見たくない」と言われ、一度は失敗したハードルに果敢に挑戦しているのです。残念なのは、高いハードルに対して複雑な物語にしすぎた感があり、特に「慰めの報酬」などはその背景を全てセリフで伝えたため、見ていて「?」になる人が続出しました。挑戦心が立派であっても、出来が良いかは別なのです。

次回作は「Bond 25」というタイトルのようですが、仮のものか正式なものかわかりません。クレイグのボンドは、原作を反映しつつエンターテイメントにするという意味で、まだまだ発展する余地があると思います。次回作は、どうなるのでしょうか。
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プロフィール

井上 毅

Author:井上 毅
はねもね
福岡県出身
東京都在住
以前やっていたブログ「はねもねの独り言」の続編です。

外資系金融機関に勤めながら、あちこちに出没しています。

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