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タライ型砲艦 ノブゴロド

1874年、ロシア帝国は画期的な砲艦をドナウ川に進水させました。ノブゴロドは直径31メートルの円形で、タライのような形状をしています。このジョークのような形状は、画期的であり合理的であり致命的でした。
ノヴゴロド



1.画期的だった
当時の大砲は、一発撃つごとに強力な反動を伴うので、船が傾いていました。そのため砲艦は重く大きくしなくてはいけません。しかしこのタライ型なら、反動が分散されて傾きません。安定してガンガン大砲が撃てるのです。

水上戦では常に動く船を狙うので、砲門が自在に動くことが必要です。このタライ型なら、自由に船を回転させられるので、相手がどこに逃げても狙えます。死角なしの砲艦なのです。

2.合理的だった
ドナウ川や沿岸など浅瀬では、砲艦のような大型船が動ける範囲は限定的です。しかしタライ型なら、水に浸かっている部分が少ないので、浅瀬でも自由に動けます。

また当時のロシア艦隊は黒海の警備に予算を使い、他に回すお金が不足していました。しかし直径31メートルと小型のノブゴロドは、低予算で建造できます。財布に優しく大型砲を撃てるなんて、合理的ですよね。

3.致命的だった
なぜほとんどの船は、細長いのでしょう?水の抵抗を最小限にするためです。抵抗をモロに受けるタライ型は、致命的に鈍足でした。他の船の1/3のスピードしか出ません。射的の的のような状態です。

川にタライなど円板状のものを流すと、どうなるでしょう?クルクル回りながら流れます。このノブゴロドも、ドナウ川をメリーゴーランドさながらにクルクル回ってしまいました。この力学上の力は無慈悲にノブゴロドを襲い、スクリューや舵でどうにかなるものではありませんでした。

鈍足な船がクルクル回り、360度どこでも狙える大砲が回りすぎてどこも狙えないという、泣くに泣けない状態です。


4.その後のノブゴロド
危ないのでドックに繋がれ、倉庫として利用されました。

奇抜な発想は奇抜な結果を招きます。それを後世に伝える貴重な砲艦ノブゴロドの歴史は、大事にしまっておきたいと思います。
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プロフィール

井上 毅

Author:井上 毅
はねもね
福岡県出身
東京都在住
以前やっていたブログ「はねもねの独り言」の続編です。

外資系金融機関に勤めながら、あちこちに出没しています。

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