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お金の価値を考える

お金、つまり通貨の価値を考えてみたいと思います。知ってる人には当たり前の話になりますが、意識したことがない人もいるので、ご容赦ください。通貨は大昔からありますが、長くなるので近代から話を始めたいと思います。
ゴールド


19世紀に、イギリスで金本位制が始まります。金本位制とは何でしょう?紙に1万円と書いた紙幣と呼ばれるものを政府が発行します。紙自体には何の価値もありません。しかし政府が1万円の紙幣を持っていたら、いつでも1万円分の金=ゴールドと交換しますよ、と約束するのが金本位制です。政府と国民の信頼関係がないとできない制度ですよね。

この方法だと、政府は常に大量のゴールドを保有しないといけません。理屈の上では、発行したお金と同額のゴールドを持っておかなければいけないのです。集めるのも保管するのも大変です。さらに戦争でゴールドの保管所や交換所に爆弾が落ちて、騒ぎになったりしました。そこでゴールドを集めて保管することに疲れた各国は、第二次大戦後に新しい制度を考えました。

当時、最もゴールドを持っていたのはアメリカです。そこでアメリカはドルとゴールドをいつでも交換することを各国に約束し、各国政府は自国の通貨をいつでもドルに交換することにしたのです。例えば1万円札を持っていれば、日本政府はいつでも1万円分のドルに交換してくれて、ドルはアメリカがゴールドと交換してくれるわけです。これをブレトンウッズ体制と呼びます。ドル本位制という人もいますね。

ところが、これだと常にアメリカが大量にゴールドを持っていないといけません。戦後すぐは各国が貧乏で、アメリカだけが裕福だったので問題なく運用できました。しかし復興が済んで各国がお金持ちになると、アメリカは西側全ての国の通貨分のゴールドを保有するのが難しくなりました。

そして1971年の夏の日曜日に、アメリカ大統領が「もうドルとゴールドの交換はやーめた!」と宣言してしまいます。大統領の名前からニクソン・ショックと呼ばれる事件です。これで何がどうなったかというと、1万円札を持っていれば、日本政府は1万円分のドルと交換してくれます。円の価値をドルで保証しているわけです。ではドルの価値は何で保証されるのでしょう?

「きっとアメリカは大丈夫」という信頼です。

世界中の人々が、アメリカは大丈夫と思えばドルの価値は安定します。今のところ、誰もがアメリカは大丈夫だと思っているので、ドルの価値は多少の上下があっても安定しているわけです。担保なしの信頼だけで世界経済は動いているのです。

無茶な気もしますが、もともと通貨は信頼で成り立っていたのです。例えば日本では1万円札を1万円分のドルと交換すると言っていますが、みんなが交換してくれと言いだしても交換できるだけのドルを持っている必要があります。だから政府は「外貨準備高」という名前で、「今、これだけのドルを持ってますよ」と発表しているのですが、本当に交換してくれるのかは日本政府を信頼するしかないのです。

この信頼が怪しくなっている国もあります。東南アジアに旅行した人は、現地通貨よりも中国の元で買い物をした方が安かったという経験があると思います。これは国民が自国政府を信用していなくて、自国よりも中国の方が信頼できると思っているからです。日本も政府は信用できないという人がいますが、「円よりドルで払って欲しい」なんていうお店はありませんよね。東南アジアのそれらの国よりは、政府の信頼度が高いということです。

というわけで、通貨の基本的な話でした。通貨が信頼で成り立っているって、なんだか変な気がしますよね。だから面白いんです!
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プロフィール

井上 毅

Author:井上 毅
はねもね
福岡県出身
東京都在住
以前やっていたブログ「はねもねの独り言」の続編です。

外資系金融機関に勤めながら、あちこちに出没しています。

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